塗装のマメ知識

フッ素塗料のメリットデメリット

フッ素塗料はスカイツリーなどの有名な建築物などにも使われている、耐久性が非常に高価な塗料です。

フッ素塗料は最も長持ちする塗料であることから、主に高層ビルやマンション用に開発されていました。
しかし現在では、「多少施工費用が高くなってもできるだけ塗装を長持ちさせたい」と考える方が増え、

  • この家から住み替えたくない
  • 外観を今のまま長期間維持したい
  • 外壁リフォームの予算をしっかり確保している
    という方にオススメの塗料になっています。

フッ素塗料のメリット

1.高い耐久性

フッ素塗料の一番の特徴は高い耐久性です。

耐久性が高い塗料ということは、時間が経っても塗装した面の強度が落ちにくく、
品質が高いままということを意味し、フッ素塗料は「高耐久性塗料」とも呼ばれます。

フッ素樹脂塗料はしっかりと外壁に密着する性質(密着性)を持っているため、
長期間紫外線や雨風などに晒されても隙間を作らずしっかり家を守ることが可能です。
そのため次の塗替えの時期を示す耐用年数(耐久年数)がフッ素塗料は塗料の中で最も長く、
15年~20年は耐久性が続くとされています。

現在人気のシリコン塗料の耐用年数は10年前後ですので、フッ素塗料はその1.5倍の耐久年数を持っています。

2.耐候性

耐候性とは紫外線や雨水のダメージを受けにくい力のことで、
外壁や屋根を守る塗料にとって非常に重要な要素です。
フッ素塗料は耐候性が特に高いことで知られ、
色あせしにくく紫外線を浴び続けても劣化しにくい塗料です。

3.耐熱性

耐熱性とは、塗料自体の熱や紫外線に対する性能のことです。
外壁や屋根は常に太陽光で熱せられ続けていますので、耐熱性は当然必要となります。

4.親水性(低汚染性、耐汚染性)

親水性とは「水と親しい」という意味であり、水に濡れやすく密着しやすい性質ということを意味します。
鳥のフンや空気中の汚染物質が外壁の塗膜表面にくっつくことがありますが、
フッ素塗料で塗装された外壁の表面は親水性の高い親水性塗膜がありますので、
汚れと塗膜の間に雨水がするりと入り込み、汚れを洗い流して美観を保ってくれます。
この性質は汚れが落ちやすいという意味で「低汚染性」と呼ばれています。

5.防藻性、防カビ性

建物の美観を損なう大きな原因となるのが藻、カビです。
周りの湿度が高い壁や太陽の光があまり当たらない北側の壁は藻やカビが繁殖しやすく、
緑色っぽく変色してしまうので、非常に古く、汚らしく見えてしまいます。

フッ素塗料には塗膜自体に防かび性、防藻性を持っているものが多いです。
完全に藻、カビを防ぐわけではありませんが、藻、カに悩まされる心配が他の塗料より少なくなります。

6.防水性(耐水性)

フッ素の中には「弾性」というゴムのような特性を持つ塗料もあり、商品名に「弾性」と付けられています。
弾性フッ素塗料は紫外線などを浴びて膨張と収縮を繰り返す外壁の変形に柔軟に対応し、
ヒビ割れ(クラック)が生じても塗膜が伸びて割れを塞ぎ、外壁内部に入り込もうとする水から守ってくれます。

フッ素塗料の耐用年数は信用性が高い

フッ素は一般的な塗料の中ではダントツの耐用年数を誇っています。
セラミック塗料や光触媒塗料など、耐用年数が20年を超える塗料もありますが、大手メーカーが作っていない、作っているメーカー自身が期待耐用年数を設定している、その塗料ができてから20年も経っていないなど、やや信用性に欠ける部分は否めません。

その点、フッ素の15年~20年というのは大手も認めた信用性のある数値です。

メンテナンス回数が減らせる

料の耐用年数が長ければ、塗装工事の回数が減らせる、足場代を節約できるなどの恩恵も受けられます。

なぜ工事の回数を減らした方が良いかは、以下の表で確認できます。

例えば家の寿命が残り40年だったとして、シリコン塗料の耐用年数は15年ですので、最初の塗装、15年後、30年後で合計3回工事を行う必要があります。

一方、フッ素塗料は最初の塗装と20年後の塗装という合計2回の工事で済みます。

30坪の家で装をしたと仮定した場合、
シリコン塗料を使用した工事費用の相場は約80万円ですので、

80×3=240万円

となりトータルのメンテナンスコストは240万円になります。

フッ素塗料を使用した工事費用の相場は約110万円ですので、

110×2=220万円

となり、塗料の種類が違うだけで生涯的な工事費用の差は20万円も発生することになります。

ただし、これは家の寿命が40年後と想定した場合です。
もし寿命が30年ほどの家であれば、シリコンでもフッ素でも工事回数は2回ですので、
シリコン塗装を使って160万円で済ませた方がお得になります。

このように、家の残存年数や取り壊す予定の有無によってお得な塗料は変わりますので、
業者とよく相談して塗料を選びましょう。

工事保証期間が長く設定されている

フッ素塗料は耐用年数が長い分、塗装後の工事保証期間も長い傾向にあります。
たとえばシリコン塗料なら保証期間が5年間でも、
フッ素塗料であれば10年間の保証期間を出すことができます。

ただし工事保証期間は施工する業者によって設定内容が異なりますので、
契約前に塗料別の保証期間の違いをチェックしておくとよいでしょう。

フッ素塗料のデメリット

近年登場したばかりでまだ発展途上のフッ素塗料は、いくつかのデメリットも抱えています。
耐久性が最も高い塗料を使いたいという理由でフッ素塗料を選ぶ場合は、以下のデメリットもきちんと把握しておきましょう。

1.価格が高い

フッ素は最も高級な塗料ですので、塗料の中で最も価格が高いです。

塗料には

  1. アクリル塗料
  2. ウレタン塗料
  3. シリコン塗料
  4. ラジカル塗料
  5. フッ素塗料

の順にグレードが存在し、フッ素樹脂塗料は最も高いグレードに位置します。
グレード別の塗料の価格相場は以下の通りです。

※下塗り塗料の種類や施工方法などによって価格は変動するため、目安としてお考えください

塗料の種類 ㎡あたりの価格相場
アクリル樹脂塗料 1,500~1,800円/㎡
ウレタン樹脂塗料 1,800~2,200円/㎡
シリコン樹脂塗料 2,500~3,200円/㎡
ラジカル塗料※ 3,000~3,800円/㎡
フッ素樹脂塗料 4,000~4,500円/㎡

※名前のラジカルは樹脂の種類ではなく、「ラジカルという劣化因子を制御する」という意味で付けられたものです。

耐用年数が20年と非常に長いフッ素塗料は、確かに家にかかるトータルのリフォーム回数は減ります。
しかし、シリコン塗料に比べ、2割ほど高くなってしまいます。

2.下手な業者が施工すると塗料の威力を発揮できない

どれだけ良い塗料を使っても、施工する職人がしっかりと下地処理を行い、
使用方法をきちんと守って塗料を塗らなければ長い耐用年数にはなりません。

例えば、旧塗膜(古い塗料)をしっかりと落とさなかったり、
下地調整材を雑に塗った上からフッ素塗料を塗ったりすると、
いかに丈夫なフッ素の塗膜でも質の悪い下地と劣化した旧塗膜ごと剥がれ落ちてしまいます。

剥がれ落ちた塗装はいったん全て除去して塗り直さなければなりませんが、
フッ素塗料は高額な塗料ですので失敗は許されません。

フッ素塗料はシリコン塗料やセラミック塗料と同様に、少しでもフッ素が入った樹脂を含んでいれば「フッ素塗料」と言えてしまいます。

そこに目をつけた良くないメーカーや悪徳業者が、ごくわずかしかフッ素が入っていないフッ素塗料を利用して「耐用年数が非常に長いので安心」というセールストークでアプローチして、全く違うグレードの低い塗料で塗装される可能性があります。

しかしどの塗料が良いフッ素塗料か悪いフッ素塗料かを見抜くのは簡単ではなく、実際に使用したあとで質の悪い塗料だったとわかっても意味がありません。
最も安全な方法は、国内の大手メーカーのフッ素塗料を使用することです。

(能登建装では国内No.1大手の日本ペイントの塗料を使用しています)

※エスケー化研の塗料は他の大手ペイント会社(日本ペイント、関西ペイント)より、3割りほど安く値段は魅力的ですが、その分シリコンやフッ素樹脂が少ないので、注意が必要です。

まとめ

フッ素塗料は値段が高く、きちんと塗装することができる塗装業者が少ないです。
しかし、近年住宅でもフッ素塗料で塗装する家が増えており、フッ素塗料をきちんと塗装すれば耐用年数が非常に高くなります。

そしてフッ素塗料を使うことでマイホームの価値を上げることができます。

能登建装では、手抜きが無いように、下地処理、塗り替えの作業などすべての工程を写真を撮り、
お客様にお見せできる状態にしており、安心して工事を任せていただけるようにしています。
フッ素塗料でマイホームを塗装しようとお考えの方はぜひ能登建装に施工依頼をお願いします。